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AQUA SOCIAL FES!!

AQUA SOCIAL FES!! Presents〜みんなの鶴見川流域再生プロジェクト〜

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最終レポート

「流域思考」で紡ぎ出す生きもののにぎわいと明るい未来

RESULT

鶴見川は東京都町田市、神奈川県川崎市、横浜市を貫いて、42.5kmを流れ下り、横浜市鶴見区生麦で東京湾に注ぐ一級河川です。昔は洪水も多く水質が悪いと言われてきましたが、今ではアユの姿が確認されるほどキレイな川になりました。流域全体では都市化が進み、現在の市街化率は85%、流域人口は196万人と言われています。そんな都市の真ん中を流れる鶴見川の流域に次の世代に引き継ぐ環境遺産をつくろう、という想いで2012年にスタートしたのが、「AQUA SOCIAL FES!! 鶴見川流域再生プロジェクト」です。源流、中流、下流に設けられた自然再生拠点を中心に活動を続けて、今年で5年目を迎えました。さっそくその成果を振り返ってみましょう。

【「流域思考」でシンプルに!みんなの力で実現する生物多様性保全と環境再生】

AQUA SOCIAL FES!! では、「流域」に着目して鶴見川全体の自然再生、生物多様性保全、治水対策を進めてきました。「流域」とは、天から降った雨水がひとつの川に流れ込む範囲のことです。この視点を私たちの暮らす地球に向けてみると、地表は流域と流域がまるでジグソーパズルのように隙間なく組み合わさって、できていることに気が付きます。

中流、綱島寄り洲では、外来種のセイタカアワダチソウや特定外来生物のアレチウリを除去することで、在来種のオギの育成を助けながら生物多様性保全を進めてきました。活動開始から5年経った現在、寄り洲の中にはオギの群落ができていて、環境再生に成功。オギの穂がそよぐ水辺の原風景を取り戻すまであと一歩です。

2016年第一回目のAQUA SOCIAL FES!! は雨のため屋内プログラムを行ったので、予定していたセイタカアワダチソウ退治は後日、鶴見川流域ネットワーキングの皆様が作業をしてくださいました。来年には、土手斜面を含めて寄り洲一面にオギの穂がそよぐ見事な水辺になっていることでしょう。

温暖化で豪雨や渇水が度々起こる今日、渇水や洪水などの水にまつわる自然災害や生物多様性の問題は行政区単位で語られることが多いのが現状ですが、水の秩序、つまり「自然の理」で捉え、合意形成をしながら対策を進める「流域思考」はそれらにどうやって対応するかを考える時に役立つ大切な智恵なのです。

【生きものがにぎわい暮らす鶴見川。エノキ植樹のその先に。】

第二回目では、みんなで力を合わせてエノキの苗木を20本植樹しました。これまで5年間に渡ってAQUA SOCIAL FES!! の活動で植樹したものを合わせると、全部で130本になります。なんと2012年に植樹したエノキは高さ7m〜8mまで成長しており、植樹した一帯が木立のようになっていました。活動の成果を目の当たりにして感動しました。このように継続してエノキの植樹に取組んできたのには、こんな理由がありました。

源流保水の森には、かつての雑木林が残っています。伝統的な里山の雑木林は農家が暮らしのために管理していたので、クヌギやコナラなど薪や炭になる木は大切にされても、エノキはあまり大切にされませんでした。しかし、そのエノキこそ、オオムラサキやタマムシなど、雑木林に暮らす美しい虫たちを育む“マジックツリー”なのです。たくさんの生きものを象徴する存在のオオムラサキは、国蝶に選ばれている大型でとても美しい蝶ですが、餌となる木であるエノキが少ないこともあり、源流保水の森が位置する北部丘陵では全滅の危機に瀕しています。

そこで、AQUA SOCIAL FES!! では、森の保水力を強化する治水対策と生物多様性保全対策を進めながら、エノキの植樹を継続的に行うことで、課題解決に取り組んできました。農業をしなくなった源流の森に虫や鳥が喜ぶ木であるエノキを植えて広く育てることで、オオムラサキが舞い、生きものたちがにぎわい暮らす森をつくりエコツーリズムができるようになればいいな、というアイディアを、AQUA SOCIAL FES!! のアドバイザーであり、NPO法人鶴見川流域ネットワーキング代表の岸由二先生(慶応大学名誉教授/生態学)は持っているそうです。

かつては大雨の度に洪水となって水害が絶えなかった鶴見川が、今やいのちの連なりと生きもののにぎわいが幾重にも折り重る美しい川に変貌を遂げ、最先端の自然再生拠点になりつつあります。みんなとだからできること。着実に積み上げられてきた成果を振り返ってみると、ひとつひとつの活動が明るい未来を創っているという確かな実感につながりました。

◆共催:NPO法人鶴見川流域ネットワーキング
◆後援:神奈川新聞社、鶴見川流域水協議会、横浜市港北区(第1回)、町田市(第2回)
◆協力:一般社団法人Think the Earth

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第2回

ここが鶴見川の源流!みんなでオオムラサキの舞う森をつくろう!

REPORT

11月とは思えないほどのポカポカ陽気に恵まれたこの日、参加者の皆さんでバスに乗り合わせて一路、鶴見川の源流を目指します。源流保水の森を一望する源流展望点で開会式を行っていよいよ谷戸を下ります。ツルッと滑らないように小股で谷を下っていく道すがら、以前AQUA SOCIAL FES!!で植えたエノキが立派に成長した姿でみんなを迎えてくれました☆

【目指せ!エノキ1000本谷!?雑木林のきらめく虫たちを育むマジックツリー、エノキの植樹】

植樹を行う谷戸の上手で元気にストレッチ!笑顔がこぼれてきたところで早速、午前の作業をスタートしましょう。今回は3人一組になってエノキを植樹します。根と同じくらいの大きさに穴を掘り、水を注ぎ、ドロドロの水たまりの中に苗木を入れて根元に土をかけます。この時に穴の中の空気を抜くのがコツ!苗木の周辺を棒でつついて、土と根を馴染ませます。こうすることでしっかり根づき、根の凍結を防ぐそうですよ(^^)

「今までに見たことない多自然世界を今まさに創っているところ」と解説をしてくださったのは、AQUA SOCIAL FES!!のアドバイザーでもある、NPO法人鶴見川流域ネットワーキング代表の岸由二先生(慶應義塾大学名誉教授/生態学)。
「当地にはかつての雑木林が残っていますが、伝統的な里山の雑木林は農家が暮らしのために管理していたので、クヌギやコナラなど薪や炭になる木は大切にされても、エノキはあまり大切にされませんでした。でも、そのエノキこそ、オオムラサキやタマムシなど、雑木林の美しい虫たちを育む“マジックツリー”なんですね。生きものたちのにぎわいを象徴するオオムラサキは、国蝶とも言われる大きく美しい蝶です。そこで、私たちAQUA SOCIAL FES!!では、保水力を強化し、生物多様性の回復を目指す源流の森に広くエノキを植え育てることで、オオムラサキが舞い、生きものたちがにぎわい暮らす森をつくって、エコツーリズムにも貢献できるようになればいいなと考え、取り組んできたのです。エノキがこんなにたくさん育ってゆく雑木林は、過去1000年くらい、この地にはなかったかもしれません。地域にも貢献できるそんな最先端事例が、ここ源流保水の森なのです。」

今回はみんなで力を合わせてエノキの苗木を20本植樹しました!これまでのAQUA SOCIAL FES!!で植樹したものと合わせると全部で130本になります。

【しがらみって何??大きく成長したエノキの冬ごもり作業】

午後は谷戸の下手、熊野平に移動します!目の前の木立は7m〜8mの高さに成長した2012年植樹のエノキ。数年前からオオムラサキの幼虫が来ています。幹をつたって降りてきたオオムラサキの幼虫は落ち葉の裏側に隠れて冬を越します。今回は落ち葉が木枯らしで吹き飛ばされないようにエノキの根元に柵のようなものをつくります。これを“しがらみ”と言っています。

では、3人一組になって作業を始めましょう☆3人のうち2人がペアになってノコギリで笹を切り出します。切った笹を麻ひもで縛ると笹束が3つできました。最後にエノキの根元に杭が三カ所打ってあるのでそこを目印にして笹束を三角形になるように置いたらできあがり!“しがらみ”にはエノキを寒さから守りながら、オオムラサキの幼虫を保護する役割があるそうです。

【生きもののにぎわいを味わいながら。想いをシェアするキーワードトーク。】

たくさん体を動かしたので、ここからは心を動かす時間です。ナビゲーターはAQUA SOCIAL FES!!のアドバイザーを務める、一般社団法人Think the Earth理事の上田壮一さんです。昼下がりの暖かな日ざしを浴びながらみんなで今日一日を振り返ってみましょう。午前はエノキの植樹、午後は冬ごもり作業、とたっぷり1日森の中で過ごしましたね。それにホトケドジョウ、ヒミズ、ノスリ 、などたくさんの生きものにも出会いました。心に浮かんだことを一言のキーワードにしてみんなで想いを共有していきます。

 

「未来をつくる」「しがらみ」「成果の実感」「もぐら」「彩り」「自然の力」と、色とりどりのキーワードが出そろいました。谷戸に身をゆだねて地球の息吹を味わいながら、生きもののにぎわいとみんなの力を実感する長閑な時間になりましたね(^▽^)♪

【明るい未来をこの手で創ろう!みんなとだからできること。】

お楽しみのティータイムは、湯気のあがったホカホカの蒸しパン♪♪中には地元で活動する市民団体のみなさんが栽培したサツマイモが入っています。今回もNPO法人鶴見川流域ネットワーキングが、手作りで用意してくださいました!

源流を始めとする流域拠点に、次の世代に引き継ぐ環境遺産をつくろう、という想いで2012年にスタートしたAQUA SOCIAL FES!! の鶴見川流域再生プロジェクト。活動全体を振り返ってみると、源流拠点に、保水力を増し、生きもののにぎわいを豊かに支える森が戻ってきたことが、よくわかります。着実に積み上げられてきた成果を振り返ってみると、ひとつひとつの活動が明るい未来を創っているという確かな実感につながりました。今後の動きにも注目ですね!参加してくださったみなさん、お疲れ様でした!!

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第1回

天から降った雨はどこに行くの??みんなで「流域思考」を学んでみよう!

REPORT

 

朝から曇り空が広がっていたこの日。元気に集合した参加者の皆さんが受付をしていた時です。突然、予想外の雨が降り始めました(>_<)ずいぶん雨脚が強いので、今回は港北区の綱島地区センターでプログラムを実施することになりましたよ〜!

【みんなとだからできること。活動5年目の綱島寄り洲。】

開会式を行った後に、これまでのAQUA SOCIAL FES!!の成果について、AQUA SOCIAL FES!!のアドバイザーである、NPO法人鶴見川流域ネットワーキング代表の岸由二先生(慶應義塾大学名誉教授/生態学)からお話を伺いました!

今回活動を予定していた中流、綱島寄り洲はAQUA SOCIAL FES!!で鶴見川流域の環境再生プロジェクトを続けてきた拠点のひとつです。ここではセイタカアワダチソウや特定外来植物のアレチウリを除去して、在来種のオギの育成を助けたり、移植することで生物多様性を確保しながらみんなの力で川辺の緑を再生する活動を続けています。

みんなで退治する予定だったセイタカアワダチソウはこちら!一見黄色い花が美しいのですが、実は根から他の植物の成長を抑制する毒を出しているんですって。特にオギやススキはやられやすい。そのためAQUA SOCIAL FES!!では1年目からセイタカアワダチソウ退治にチャレンジしてきました!

活動開始から5年経った現在、寄り洲の中にはオギの群落ができていて環境再生に成功。土手斜面にセイタカアワダチソウがまだ残っていますが、それでもセイタカアワダチソウとオギの勢力比は3:7。ほぼ回復というところまできているそうです(^^)来年には、土手斜面を含めて寄り洲一面にオギの穂がそよぐ見事な水辺になっていることでしょう♪♪

【これからの時代を生き抜くツール?!「流域思考」を学んでみよう!】

先日の台風10号のように、これまででは考えられない不思議な気象現象が起こるなど、地球温暖化の進行を、身を以て感じる機会が多々ありました。今後、気候変動により自然災害の増大が予想される中、「流域思考」はそれらにどうやって対応するかを考える時に役立つ大切な智恵です。ここからは、岸先生と共にAQUA SOCIAL FES!!のアドバイザーを務める、一般社団法人Think the Earth理事の上田壮一さんにナビゲーターとして参加していただきながら、引き続き岸由二先生と一緒に「流域思考」について学んでいきましょう!

「流域という不思議な地形、生態系がわたしたちの住んでいる地べたを覆っています。あまりに当たり前なので普段意識にのぼることもないけれど、温暖化で豪雨や渇水が度々起こる時代なので、『流域』の枠組みで考えていかないとどうにもならない事態が増えてきました。防災も生物多様性も、です。みんながこの枠組みを日常から意識して、おもしろがって、毎日の暮らしを流域につなげて創っていくと、自動的に温暖化に対応する地域文化ができていくはず、という考え方のことを『流域思考』と言っています。降った雨が川に集まる範囲のことを流域と言いますが、流域単位で捉え直してみると物事はとてもシンプルになります。」と岸先生。

それでは地図を見てみましょう!日本列島は流域と流域がジグソーパズルのようにピタッと組み合わさって出来ていることがわかりますよね。もちろん、地球も同じ。渇水や洪水など、水にまつわる自然災害や生物多様性の問題は行政区単位で語られることが多いのですが、水の秩序、つまり自然の理で捉え直して、合意形成をしながら対策を進めることが重要なんですね(^^)

結びに、みんなの暮らしのそばにある川をきっかけにして流域を意識してみよう、ということで、簡単なミニワーク「リバーネーム」を行いました!最初にリバーネームを作ります。やり方は自分の氏名の間に、ミドルネームのように川の名前を2つ書き込むだけ。これでできあがりです☆ひとつは生まれた場所に一番近い川。もうひとつは今住んでいる場所に一番近い川を書いてくださいね。

次にできあがったお互いのリバーネームを紹介し合いながら、川にまつわる対話を楽しみます。引越を重ねて色々な川に出会ってきたこと、子どもの頃に魚の捕り方を教わったこと、家族やお友達と一緒に川であそんだことなど、懐かしい記憶をたどりました。日頃忘れかけていた暮らしの中にある川についてワイワイ楽しく語り合いながら、流域を認識する時間となりました♪♪

最後はお揃いの手袋を身につけて記念撮影です!皆様おつかれさまでした〜!

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